東京医科大学に対する損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起(訴状もアップしました)

昨年8月に分かった東京医大の入試における女性差別を受けて結成した私たち「医学部入試における女性差別対策弁護団」。

沢山の受験生からのご相談を受け、また沢山の方々からのご支援を受け、昨日、元女子受験生33名を原告とする損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起しました。慰謝料、受験料、実費など、総額1億円を超える訴訟となりました。

訴状はこちら→【訴状 Complaint 20190322】東京医科大学

印紙代などは、クラウドファンディングやカンパでまかないました。ご支援いただいた皆さま、本当にありがとうございます。記者会見には原告のお一人が参加され、思いを語ってくださいました。多くの記者の前に出てお話されるということはとても勇気のいることだと思います。始まる前にはとても緊張され、「胃が痛い」とおっしゃっていました。会見に臨んだ原告の方は「あからさまな得点操作が行われていたことにがくぜんとした。何もせず黙っていたら問題が沈静化してしまう」「訴訟に参加することに迷いはなかった」「女性として生まれてくる全ての人間に枷がはめられている、女性が男性より夢を追いにくい社会にしないように、根本からの改革を望みたい」と述べられました。書面でコメントを寄せて頂いた他の原告の方からは「受験生やそれを支える人たちの年単位での苦労や思いを、大学側の勝手な都合で踏みにじったのだということ、医師となる人間を教育する側の人間が差別や不正を働くことが、どれほど浅はかで、信頼を失う行為であるのかということをしっかりと認識し、改めて謝罪すべき」との力強いメッセージを頂きました。当事者の皆さんのこうした切実な声に、私たちも頑張ろうと思いを新たにしました。また、角田共同代表からは、本訴訟の意義について、被害者救済、同種事案の再発防止、この国の性差別状況の告発にあるとし、辻村みよ子先生の「女性展望」での文章を引用しつつ、「永久凍土化した性別役割分業意識の地層が、どんなふうに鶴橋をもって挑んでもくずれないものが、牢固としてある。永久凍土を溶かして、性差別のない社会に一歩でも近づけたい」「多くの人がある意味、小さい頃から性差別に『慣れ親しんで』しまっている状況があるかもしれない。しかし今回の事件では多くの人が怒りを表明した。その気持ちに弁護団としても、きちんと答えていきたい」と、弁護団の決意をお伝えしました。またなんと、訴訟提起と記者会見には、我が弁護団のサポーター シカゴ大学教授である山口一男先生も駆けつけてくださいました。

皆さま、これからもご支援よろしくお願いいたします!